アンジェロ・ヴィラーニについて
オー
ストラリア人ピアニストのアンジェロ・ヴィラーニは、母国で神童としてキャリアを開始し、既に10代の頃にはチャイコフスキーやラフマニノフ
の協奏曲の演奏で名声を得ていた。彼はアレクサンダー・セメツキー, ステフェン・マッキンタイアー, ジューン・レイフに学び、特に、イグナッツ・フリードマンに学んだレイフはヴィラーニの奏法に大きな影響を与えたという。
ヴィラーニは23歳の時、モスクワで行われた1990年のチャイコフスキー・コンクールに参加した。しかし、モスクワに到着後、彼は右手に原因不明の異常を感じ、コンクールでの演奏が不可能になった。ヴィラーニはそのまま、ステージ活動からの引退に追い込まれ、その引退は22年もの長きに渡った。その間、
ヴィラーニは最先端の治療を求めてロンドンに移り住み、様々な治療を行いながら、ピアノ教授やケンジントンのタワーレコード店で働くなどして、日々の生計をたて
ていた。
この期間、ヴィラーニはほとんど演奏活動を行わなかったが、治療の甲斐あって、問題の右手は少しずつ快復に向かっていた。時折、ヴィラーニはレスリー・ハワードやケネス・ハミルトンらと共に、リスト協会な
どの私的な集まりでごく短い曲を演奏することがあり、その時は聴衆から熱狂的な反応を勝ち取っていた。少しずつ、彼の名声はロンドン在住の批評家、ピアノ
愛好家、プロの音楽家にまで知られていくようになっていく。2010年になると、コンサート活動を考慮に入れることが出来るほど、ヴィラーニの右手の状態
はよくなっていた。2012年、ヴィラーニはピカデリーのセント・ジェームズ教会で22年ぶりのカムバックコンサートを開いた。ロマン派レパートリーの美しく、かつ強烈な解
釈は聴衆や批評家を感嘆させた。
ヴィラーニの独創的で情熱的なピアニズムは、楽界の重要人物達からも賞賛され続けている。偉大なピアニストであるニコライ・デミジェンコは、ヴィラーニを「オ
リジナルで、創造性豊
かで、賞賛すべきヴィジョンを持った芸術家」と形容した。英国の最高のピアニストの一人であるベンジャミン・グロヴナーも、ヴィラーニの「驚嘆すべき信念
と強烈さ」を賞賛している。グレン・グールドやアーヴィン・ニレジハージの伝記作家で、数多くの文学賞を受賞しているケヴィン・バザーナは、ヴィラーニを
指して、「稀有の存在ー真性のロマン派」と描写し、「表現、響き、技量を極限まで推し進めることを恐れない」とその大胆さを賞賛している。彼の
演奏は大手メディアからも注目を浴びており、2012/13年のヴィラーニのインタビューと演奏はBBCによって全英に生中継されている。
ヴィラーニの最初のアンジェロ・プレイズ・ダンテ「インフェルノ」2015年末にSonetto Classicsよりリリースされ、英Independent、英International Piano、レコード芸術誌などで最高の評価を受けた。2016年5月にはJK-ArtsとSonetto Classicsの共同プロダクションによる初来日公演が行われる。
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