サ イト更新情報
fugue.usは、幻のアーティスト達、忘れられた作品、隠されたエピソードなどに光をあてていく事を目的とした非営利サイトです (営利事業は管理 人が 運営する英国の レーベルSonetto Classicsによって行われています)。

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2.16.2025

以前も書いたことだが、ウィキペディアに本サイトが引用されており、注釈が付けられているのだが、誤読と誤情報に基づいた問題のある注釈なので再度指摘しておきたい。以下の文章を引用されたページに加えた。



(注)2025.2.13追記: ウィキペディア日本語版で本ページが引用され、「ただし、オグドンのLPの発売は1969年、スミスのLPの発売は1970年、ルエンサールのLPの発売は1971年であり、ニレジハジが火付け役という根拠は弱い。ニレジハジが1972年以後のテレビ出演で披露した作品はアルカンではなく、ブランシェの作品である」との注釈がつけられている。

このウィキペディア注釈には二つの点で問題がある。

 1) まず、論点の根本となるディスコグラフィ情報が間違っており、この点のみでもこの注釈には価値がない。ルーウェンサールのアルカン曲集のLPは1971年 発売ではなく、1965年の発売で、アルカン曲集のレコードとしては最初のもの。英グラモフォン誌1966年4月号498ページにルーウェンサールの RCA盤(SB6660, RB6660)の評が掲載されているが、これ以前のグラモフォン誌にはアルカンの話題はほとんど登場しない。「アルカン」の文字が初めて英グラモフォン誌 に 登場するのは創刊から30年が経った1953年2月号で、「髪の毛が逆立つような」アルカンの音楽が熱心なアメリカ人達によって録音されることを期待す る、とある。ルーウェンサールのアルカン・アルバムの影響は大きく、マルカンドレ・アムランも子供の頃にこのアルバムを聴いた。

2) 次に誤読。私は、ルーウェンサールがアルカンの紹介者となった原因をニレジハージが作った、と上に書いたのであって、ニレジハージがアルカン・ブームの火 付け役 である、とは書いて いない。若き日のルーウェンサールがニレジハージのピアノによってアルカンの作品を最初に耳にしたことは、彼自身が未発表の手記に記している。したがっ て、ニレジ ハージが「1972年以降のテレビ出演に披露した作品はアルカンではなく、ブランシェの作品である」という最後の文章は、単に起きた事実を書いているだけ で何の議論もサポートしていない。


2.15.2025

2007年にM&Aより発売されたニレジハージの2枚組の情報にエラーがあることがわかった。私はこのCDのリリースにはほとんど関係していない が(Pのバザーナに選曲を相談された程度)、今後のプロジェクトにも関わるのでここで情報を修正しておきたい。修正すべき点は下のトラックの青字で、正しくは Century Club of California, San Francisco, 17 December 1972である。

ミスが起こった理由もわかっている。高崎にあったアーカイブ(現Sonetto保有)に1973.7.29の日付の入ったリールがあり、そこに 1972.12.17のCentury Clubでの演奏会の後半部の数曲が1973.7.29のものとして「混入」していた。それが情報とともにCD-Rとしてニレジハージ・ファンの間に出回り、バザーナが そのCD-Rに記載された情報基づいてM&Aのトラックリストを作成してしまった、という経緯である。

今回、リカルド・エルナンデスから貰った1973.7.29のリールをトランスファーするにあたり、下記の楽曲が含まれていないこと、プログラムにも記載 がないこと、そしてCD-RとM&Aの録音を確認したところCentury Clubの録音と同一であったことから、エラーが発覚した。バザーナにも既に報告し、彼の確認を得ている。

ところでエルナンデスから貰った1973.7.29のテープだが、トランスファーを行ったところ、一部に深刻な劣化があることがわかった。上記のアーカイブのテープを今週トランスファーし、それと組み合わせて使うこととなると思う。

CD: Ervin Nyiregyházi in Performance (Music and Arts, CD1202)

(Disc 1)

1. Liszt: Legendes: No. 1, "St. Francois d'Assise: la predication aux oiseaux"
Old First Church, San Francisco, 6 May 1973
2. Liszt: Legendes: No. 2, "St. Francois de Paule marchant sur les flots"
Old First Church, San Francisco, 6 May 1973
3. Liszt: Excerpts from No. 5 ("Elizabeth") of the oratorio Die Legende von der heiligen Elisabeth (arr. Nyiregyhazi)
4. Zwei KonzertetudenL No. 1, "Waldesrauschen"
Home of Ronald Antonioli, Novato, California, 29 July 1973
5. Liszt: Annees de pelerinage, deuxieme annee, Italie: No. 6, "Sonetto 123 Petrarca"
Home of Ronald Antonioli, Novato, California, 29 July 1973
6. Liszt: Annees de pelerinage, troisieme annee: No. 2, "Aux cypres de la Villa d'Este" (No. 1, 3/4)
Century Club of California, San Francisco, 17 December 1972
7. Liszt: Annees de pelerinage, premiere annee, Suisse: No. 2, "Au lac de Wallenstadt"
Dai-ichi Seimei Hall, Tokyo, 21 January 1982
8: Brahms: Intermezzo in E-flat Minor, Op. 118/No. 6 [6:23]
Home of Ronald Antonioli, Novato, California, 29 July 1973
9: Scriabin: Sonata No. 4 in F-sharp Major, Op. 30 (two linked movements
Forest Hill neighborhood association clubhouse, San Francisco, 24 May 1973
10: GRIEG: Lyric Pieces, Op. 54: No. 4, "Notturno" [5:42]
Forest Hill neighborhood association clubhouse, San Francisco, 24 May 1973

CD 2 ]
1. TCHAIKOVSKY: Douze morceaux, Op. 40: No. 8, "Valse" in A-flat Major
Forest Hill neighborhood association clubhouse, San Francisco, 24 May 1973
2.
TCHAIKOVSKY: Romance in F Minor, Op. 5
Takasaki College of Music, Takasaki, Japan, 1 June 1980
3. DEBUSSY: Estampes: No. 1, "Pagodes"
Forest Hill neighborhood association clubhouse, San Francisco, 24 May 1973
4. DEBUSSY: La plus que lente
Forest Hill neighborhood association clubhouse, San Francisco, 24 May 1973
5: CHOPIN: Mazurka in C-sharp Minor, Op. 6/No. 2
Century Club of California, San Francisco, 17 December 1972
6: CHOPIN: Prelude in C-sharp Minor, Op. 28/No. 10
Century Club of California, San Francisco, 17 December 1972
7: CHOPIN: Mazurka in F Minor, Op. 63/No. 2
Century Club of California, San Francisco, 17 December 1972
8: CHOPIN: Mazurka in B Minor, Op. 33/No. 4 [6:09]
Century Club of California, San Francisco, 17 December 1972
9: CHOPIN: Nocturne in F Minor, Op. 55/No. 1
Old First Church, San Francisco, 6 May 1973
10: RACHMANINOFF: Piano Concerto No. 2 in C Minor, Op. 18, II: Adagio sostenuto (arr. Nyiregyhazi)
Dai-ichi Seimei Hall, Tokyo, 21 January 1982
11: SCHUBERT: "Der Wanderer" (arr. Nyiregyhazi)
Takasaki College of Music, Takasaki, Japan, 31 May 1980
12: SCHUBERT: "Heidenroslein"(arr. Nyiregyhazi)
Takasaki College of Music, Takasaki, Japan, 1 June 1980
13: MACPHERSON: "Before the Dawn" from Deserted Garden
Los Angeles Federal Symphony Orchestra/Modest Altschuler
Federal Music Project, Program No. 76, 1936


2.9.2025

2025年に入った。ニレジハージの4枚目の制作を始めたところで、すでにテープをアビーロード・スタジオに渡したところ。来週にはトランスファーが終わる。

フォルテピアノの川口成彦さんがフィンチコックスでの録音のためロンドンに滞在中。昨日は、彼に付き添いで来た東京エムプラスの鈴木社長、川口さんの友人 のヴァイオリニストの草川研二さんと会食した。川口さんとは昨年以来、ロンドン、マドリッド、東京、と世界のいろいろな街で会っては一緒に飲む仲になっ た。今後もお互いのネットワークを使って世界を広げられれば、と思っているし、実際に広がってきている。